日本周辺を広く回遊し、成長とともに呼び名が変わる「出世魚」として知られる「ブリ」。色々な呼び名がありますが、北海道では1kg以下を「フクラギ」、3kg以下を「イナダ」、3kg以上を「ブリ」と呼ぶことが多いようです。従来は主に西日本でなじみ深い魚でしたが、近年は海洋環境の変化などの影響によって北海道全域で水揚げされるようになり、漁獲量は、平成22年と比較すると令和4年では約4.4倍※にアップ!北海道でもおなじみの魚になってきました。
※北海道水産現勢より

 最近は養殖魚も多いブリですが、北海道で水揚げされるブリはすべて天然もの!令和3年の天然ブリの漁獲量は北海道が全国1位、令和4年は全国2位※となっています。北海道では初夏から水揚げされ、その頃は脂が少ない分さっぱりとした味わいを楽しめます。秋から冬にかけての寒い時期には、脂がたっぷりとのり、北の海で豊富な餌を食べて育った北海道産のブリは上質な脂が大変美味と評判です。刺身のほか、ブリ大根や照り焼きなどの定番の食べ方から、和洋中様々なお料理とも相性抜群です。
※海面漁業生産統計調査(農林水産省)より

 良質なたんぱく質のほか、今話題の体にいい脂、多価不飽和脂肪酸「EPA」・「DHA」がたっぷり。動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、悪玉コレステロールを減らすなど、さまざまな作用があります。さらに、糖質の代謝に欠かせない「ビタミンB1」、脂質の代謝を助ける「ビタミンB2」、抗酸化作用の強い「ビタミンE」も豊富です。

 ブリの栄養成分でもう一つ注目したいのが、血合いの部分に豊富に含まれている「タウリン」。タウリンは悪玉コレステロール濃度を低下させ、善玉コレステロール濃度を上げる働きや、肝機能を強化する働きがあるといわれています。タウリンはブリの旨味成分でもあるので、血合いまでしっかり味わいたいですね。

 「ビタミンD」はカルシウムを体内に吸収する際に欠かせない栄養素。ブリを1日1切(100g)食べると成人の1日の摂取目安量(8.5μg)をほぼ満たすことができます。

 今や世界中で食べられるようになった日本食「寿司」。ブリも人気のネタの一つなのだそう。英語圏でブリを注文するときは「イエロー・テイル(yellowtail)」と言ってみては?ほかに「ジャパニーズ・アンバージャック(Japanese amberjack)」という言い方もあるそうです。