近年、北海道の海で獲れる魚が変わりつつあります。なんと2020年以降ブリの漁獲量※が日本一。今回訪れた函館では、そのブリをより美味しく食べてもらい、身近なおさかなとして認識してもらおうと、様々な取り組みが行われているということで、ご紹介したいと思います。

※農林水産省 海面漁業生産統計調査「令和3年漁業・養殖業生産統計」より

「とれてます!Oh!!さかなフェア」 アンバサダー

札幌生まれ・札幌育ちの食と酒をこよなく愛するアラフィフ。(株)リクルートHotpepperの営業を経て、WEB情報サイトSapporo100miles編集長として約15年間、食や観光の情報発信し続け、現在はSAPPORO YARD【オサナイミカが行く!】を中心に、いくつかのサイトでWEBライターとして活動中。

2020年以降、北海道のブリの漁獲量が日本一と聞き、実際どれくらい獲れているのか確かめるべく、函館水産物地方卸売市場へ。朝6:00にブリのセリがスタート!早朝から活気のある現場に、こちらまでワクワクしてきました!ブリは大きな箱に入っているものと、発泡スチロールに一匹だけ入っているものがありました。どちらも函館近郊で獲れたブリですが、定置網漁で獲ったものと、一本釣りのブリとのこと。

また大きくなるにつれて呼び名が変わる出世魚なので、少し小さめのイナダやワラサなどもありましたよ!見た目にもたくさん獲れているのが伝わってきましたが、8月の取り扱いが400トンという数字を聞いてさらにビックリ!
10月にはピークを迎え、漁獲量はもっと増えそうです!

【北海道ブリリアントアクション】という言葉をご存知の方はいらっしゃるでしょうか?実はオサナイも今回の取材で初めて知りました。『環境の変化で10年前とは大きく変わった海の生態系に地元民はまだ追いついていないのが現状です。その変化に対応し、ブリをたくさん食べてもらえるよう、市内の飲食店に協力いただき、“ブリフェス”を開催したり、ブリの加工食品の開発などを行っています。

また、函館朝市や大門横丁にブリ塩ラーメンが食べられるお店も出店、そして札幌や旭川で開催した食イベントにも出店し、多くの方にブリを認知してもらう活動をしています。』と、北海道ブリリアントアクション事務局の高木さんに取り組みを教えていただきました。

高校生がアイデアを出し商品化されたブリの缶詰があるということで、北海道函館水産高等学校にもお邪魔してきました。ブリ三銃士と缶詰にも写真が載っている3名、挨拶が初々しい(笑) 今回の缶詰はなんとミートソース風!魚料理があまり得意でないという方にも興味を持ってもらえるようにと、洋風にしたそうですが、そのことでパスタやパンとの相性も良くなり、道産ブリの活躍の場が増えそうです!

これはワインが進みそうですね!と、つい高校生の前でもアルコールの話をしてしまったオサナイですが、先生はビールに合うと言っていたそうですよ(笑)ご家族や親戚からも評判はよいそうで、商品に対する受け答えも、自信をもって受け答えしておりました。

地元の飲食店ではどんなメニューがあるのか、お店に足を運んでみました。訪れたのは“炭火割烹 菊川”。『ブリは青魚なので、臭みが気になるという方もおります。そのような時は塩を振って水分を抜くと良いと思います。お店では牛乳で洗い流したり、昆布エキスで下味をつけて下処理を行っています。』とスタッフの稲垣さんが、ブリを美味しく味わうコツを教えて下さいました。

そしてご用意いただいたのは、“ブリたれカツの海宝スープ”。魚のアラを2日間ほどかけて煮込んだスープの上に、サクッと揚がったブリたれカツがのっています。ブリは本当に臭みがなく、濃厚なスープとの相性も抜群。さすがプロの技。家庭ではここまでは出来なくとも、ひと手間をかけて調理してみようかな。

2軒目に訪れたのは、“旬の味 ご馳走亭”。いつも地元の会社員で賑わっている店のようで、この日も予約で満席!今回はシンプルにお刺身、自家製の西京焼き。まずはお刺身の鮮度の良さと脂のりにくぎ付け!早速一切れ頂いたところ、口の中でとろけました!そして臭みが全くない!脂がのりすぎているとくどくなりがちですが、すぐにもう一切れ箸をつけたくなりました。

西京焼きは、状態の良いブリだけを仕入れて自家製のみそだれに付け込んでいるそうです。その時のブリの状態で漬けこんだ後の味わいも変わってくるので、より美味しくなるように日々研究していると、手鹿店長がおっしゃっていました。そして道産ブリ料理は、自信を持ってお勧めできる逸品とのことでした。

2022年夏、函館朝市駅二市場内にオープンしたばかりの“函館朝市地ブリショップ”は、ブリを通して人と海をつなぐ、函館ブリリアントアクションのアンテナショップ。ブリの魅力をもっと知ってもらおうと、市内の飲食店と共同開発した、ブリたれカツやブリたれカツバーガー、そして函館ブリ塩ラーメンなどが味わえるほか、お土産商品も販売中!ちなみにビールも飲めちゃいますよ。店舗向かいには、人気のイカ釣り体験コーナーもあり、函館らしさを満喫できるスポットです。

北海道函館市若松町9-19
函館朝市駅二市場内
営業時間 8:00-14:00
定休日 水曜日

https://brilliant-action.jp/jiburishop/

駅前にある函館朝市も、もちろんお勧めなのですが、住宅街にある“はこだて自由市場”は、市民に寄り添う市場という位置付けで、鮮魚をはじめ、干物や青果などがところ狭しと並んでおり、場内を歩くだけでもワクワクしますよ!営業は8:00からですが、9:00を過ぎたあたりから、先ほど卸売市場で仕入れたと思われる鮮魚が次々と運ばれてきて、ますますにぎやかに!市民はもとより料理人も仕入れに来ているそうで、オサナイが取材していた時も、それらしき方を見かけました。購入した魚はその場でさばいてくれるので、プロの包丁さばきも堪能することができます。また、フードコートや食堂なども数軒あり、購入したものをその場で味わうことができるのも魅力です。

北海道函館市新川町1-2
営業時間 8:00~17:00
(店舗により異なります)
定休日 日曜日

http://hakodate-jiyuichiba.com/