細長い体に7個前後の黒い斑点が1列に並ぶことから、別名「ナナツボシ」とも呼ばれるイワシ。秋の季語にもなっている「鰯雲」は、イワシが群れで回遊する様からできた言葉で、8月から10月のイワシの漁期にちょうど重なっています。日本人に昔から親しまれてきたイワシの仲間のマイワシが近年北海道で獲れるようになり、北海道を代表する魚種の一つになりつつあります。
魚の中で、脂肪分が多いイワシは日本人の健康を支えてきたお魚の一つ。北海道で獲れるマイワシは脂ノリがとても良くおいしいと評判で、2019年の調査では、脂肪量が平均25.8g/100gで、養殖サーモンより多く含まれていました。味が良くて栄養豊富な北海道産に注目!
イワシは「いわし百珍(「珍」は美味を意味する言葉)」といわれるほど料理法が多彩。獲れたては、たたきや刺し身に。さらに、塩焼き、煮付け、つみれ、寿司、揚げ物などなど、煮てよし、焼いてよし、生でよし!さまざまな料理法で多彩な美味を味わうことができるのも魅力です。
イワシの中でも特にマイワシには、今話題の体にいい脂、多価不飽和脂肪酸「EPA」・「DHA」がたっぷり。動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、悪玉コレステロールを減らすなど、さまざまな作用があります。「DHA」はさらに記憶力改善にも効果あり、といわれています。
もう一つ、マイワシに豊富な栄養素として見逃せないのが、骨の作るカルシウムを体内に吸収するときに欠かせない栄養素である「ビタミンD」。マイワシを1日1尾食べるとビタミンDの1日の摂取基準量=(8.5μg)を満たすことができます。
日本だけでなく、海外でも親しまれているイワシ。缶詰でおなじみの「オイル・サーディン」の「サーディン」とは、マイワシなどの小型のイワシのこと。イワシの頭と内臓を取り除いて塩漬けにし、香辛料などと一緒に油で煮たものを指します。一方、パスタなどでおなじみの「アンチョビ」は火を使わずにイワシを塩漬けにして発酵させたもの。イワシを使って、料理のレパートリーを広げてみては?